時たま、旅人

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自称世界遺産ハンターが行く!旅好き会社員の備忘録

贅を尽くしたスペイン王宮

 

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10年前にも訪れたマドリード。写真をあまり撮ってなかったこともあり、だいぶ記憶が薄れていました。おかげで?新鮮な気持ちで王道観光を楽しめました。

さて、10年前の記憶を掘り起こしてみると・・・王宮に行った記憶がないんです。なぜこんなメジャーな観光スポットをスルーしたのか・・・やっぱり思い出せません。

 

王宮はカサ・デ・カンポを見下ろす小高い丘に建っています。最寄駅はオペラ駅。地下鉄の出口から出るとすぐに王立劇場(テアトロレアル)がありました。1850年に落成した歌劇場は1997年のリニューアルを経て、バレエやダンスの公演、クラッシックコンサートも開かれるマドリードの文化の中枢として今なお健在です。f:id:greenbirdchuro:20190605183257j:image

 

王立劇場の西にはホセ1世が中世以来の住宅地を撤去して造らせた立派な広場がありました。わたしは他にも理由があるはずだと勝手に思っているんですが、王宮の東側だからオリエンテ(東)広場だそうです。広場の中央庭園を挟んで東西に並ぶ20体の石灰岩の彫像は、5体の西ゴート王と15体のイスラム支配期のキリスト教王国の王です。王宮の屋根を装飾するために献上されたもので、実際に屋根を飾っていた時期もあったのですが、落ちた彫像に潰されるという王妃の悪夢がきっかけでここに鎮座しています。ここ以外にもレティーロ公園やサバティーニ庭園といったマドリード市内の各名所、さらには県外のパンプローナやブルゴスに運ばれたものもあるそうです。確かにそんなに彫像が屋根に載っていたら悪夢が現実になったかもしれませんね。f:id:greenbirdchuro:20190605170128j:plain


オリエンテ広場には王宮を背にしてフェリペ4世の騎馬像がそびえています。マヨール広場にある父(フェリペ3世)の騎馬像より立派な自分の像が欲しいという本人の望みを叶える形で1843年に設置されました。実は2本の後ろ足で立つ騎馬像は世界初の試みでした。下に下がった尻尾を含めて像の重量配分を計算して造られた技術的にも文句なしの傑作です。f:id:greenbirdchuro:20190605113323j:image台座の四方に設置された青銅のライオン像の台座に彫られたベラスケス像は芸術を保護したフェリペ4世らしい趣向です。

 

騎馬像の裏手の方にある大きな建物がスペイン王の王宮です。f:id:greenbirdchuro:20190605172853j:image

 

元々ここには9世紀後半から11世紀までイスラムの城塞があったそうです。キリスト教徒によるマドリード奪回以後、ブルボン家の代々の王達はここを宮殿として拡大していきました。ところが1734年のクリスマスに火災で全焼という悲劇に見舞われてしまいます。現在の王宮はフェリペ5世の命で1764年に再建されたものです。フランス育ちのフェリペ5世はフランス風の王宮の建設を命じました。育ったベルサイユ宮殿が懐かしかったんでしょうね。そして当時の最高技術を駆使して宮殿が完成した時には17年もの歳月が流れていました。フェリペ5世はとっくに亡くなっていてすでに治世は彼の息子カルロス3世のものでした。f:id:greenbirdchuro:20190605172727j:image 

ちなみに先代のアルフォンソ13世が追放されて以降はこの宮殿に住人はおらず、現国王や王族は郊外のサルスエラ宮殿で暮らしています。現在は政府の所有として公的行事に使用され、それ以外の日はこうして一般公開されています。f:id:greenbirdchuro:20190605172750j:image

 王宮の一般入口は敷地の南東側(アルメニア広場の入口近く)にありました。事前予約する選択肢もありましたが、天気予報が雨だったのでそんなに混まないだろうと予想して当日購入にしました。朝一で並びはしましたが、当日購入でもスムーズに入場する事が出来ました。(通常は午前中の入場は超陀の列らしいので事前購入をお勧めします。)

 中へ入ると先ずセキュリティチェックを受け、窓口でチケット(10ユーロ)を購入します。中には荷物を持ち込めないので、荷物は1ユーロのデポジットロッカーへ。f:id:greenbirdchuro:20190605170315j:image

 

敷地内に入るとそこは1辺が100m以上もある広大なアルマス広場です。f:id:greenbirdchuro:20190603215754j:image

 

アルマス広場の先のアルメリア広場を挟んだ王宮の向いにあるのはアルムデナ大聖堂です。この大聖堂の建設計画は16世紀にスタートしましたが、なかなか着工に至らず、やっと工事が始まったかと思えば内戦で頓挫・・・そして完成したのは1993年でした。フェリペ6世国王とレティシア王妃の挙式が行われた場所ですよね。f:id:greenbirdchuro:20190603215750j:image優秀なジャーナリストでもあった民間出身の王妃はバツイチ。王座を捨てる覚悟でゴールインした美男美女に世界中がフィーバーしたのがつい最近のようです。

 

広場を取り囲むように廻らされている石柱の回廊。はるか彼方まで続いているように見えますが、王宮の建物に繋がっています。f:id:greenbirdchuro:20190603215734j:image

 

広場を抜けたら、ファサードの美しい正面入口を通っていよいよ王宮の建物の中へ。
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これまでのシンプルな白壁はここで豪華絢爛な内装に一変します。入口から先に進むといきなり見どころ出現。手摺や階段に美しい装飾の施された大階段はイタリア生まれの建築家フランチェスコ・ザバティーニの設計です。f:id:greenbirdchuro:20190603215743j:image

 

昔は、馬に乗ったまま宮殿に入ったそうなので、馬でも登れるように階段も広く作ってあるんですね。とても天井の高い開放感のあるスペースですが、なんと言っても天井一面に広がる美しいフレスコ画に目が溜まります。f:id:greenbirdchuro:20190605183630j:image

 

天井のフレスコ画は18世紀のイタリア人画家コッラッド・ジャクイントによるものです。フレスコ画を縁取る金の装飾も含め天井全体が壮大な作品になっています。f:id:greenbirdchuro:20190603215718j:imageロココ絵画の画家で知られるジャクイントの残した宗教画・神話画・肖像画には素晴らしいものが多く、以前にヴァチカンで彼の作品を見る機会がありました。

 

さて、残念ながらここから先は写真撮影禁止です。

ガイドブックによると、この王宮には3400以上の部屋があるそうで、床面積13万5000㎡はヨーロッパの宮殿としては最大規模。見学できるのは50室ほどですが、それでも結構な部屋数ですから見て回るのは一苦労でした。ただ、部屋ごとに趣がガラッと変わるので飽きずに見学できましたよ。

 

そして、時には王宮の中央パティオで一息。十字架の下には王室礼拝堂があります。
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王宮の中のカフェでも一息。軽食も食べれますが、こんな一等地にあるのに結構お手頃な値段なんですよ。思い出すだけでなんとも贅沢な時間でした。f:id:greenbirdchuro:20190605182213j:plain


飾られている絵画も美術館顔負けでしたし、調度品も贅を極めています。特に弦楽器コレクションのストラディヴァリウスには音楽になんの造詣もないわたしでも心を奪われました。写真撮影できないので記憶はいつか薄れていくでしょうが、心を揺さぶれられたという事実はいつまでも胸に留めておきたいものです。

 

さて、マドリードにはいくつもの名だたる美術館がありますが、多くの美術館で閉館前2時間は無料です。もちろん、無料入場の権利をゲットするためには激しい競争に勝ち抜かなくてはなりません。(要は早めに並べということです。)さすがにプラド美術館は何日あっても時間が足りないのでチケットを買って入りましたが、ソフィア王妃芸術センターを含めた他の美術館は夕方以降にせっせと通って楽しみました。美術館も写真撮影できませんので証拠写真をあげておきますね。

プラド美術館の半券  ↓f:id:greenbirdchuro:20190605190509j:image

ソフィア王妃芸術センターのミュージアムショップで買ったゲルニカの絵葉書 ↓f:id:greenbirdchuro:20190605190514j:image

 

プラド美術館の帰りになんか見たことあるなと思った風景はマドリードを代表する2つの通り、グラン・ビア通りとアルカラ通りの交差点でした。
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そろそろマドリードから移動しようかな・・・。

 

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