時たま、旅人

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自称世界遺産ハンターが行く!旅好き会社員の備忘録

城塞都市セゴビアとローマ水道橋

 

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マドリードから日帰りでやってきたのは城塞都市セゴビアです。マドリードから80kmの5万5000人が暮らす地方都市には10年前に行き損ねた因縁の世界遺産「セゴビア旧市街と水道橋」があるんです。世界遺産ハンターを自称する以上、今度こそ見逃すことはできません。

 

セゴビア駅が郊外なので列車を諦め、安くて便利なバスを利用しました。地下鉄モンクロア駅と直結のバスターミナルから出発したバスは約1時間でセゴビアのバスターミナルに到着。ここからお目当てのローマ水道橋まで歩いて約10分です。

 

バスターミナルから水道橋に向かって歩き初めるとすぐにムハデル様式の教会がありました。10世紀頃に建築されたセゴビア最古の教会の一つサン・ミジャン教会です。アラゴン王国の首都ハカの大聖堂をモデルにしているのでアラゴン建築の影響を受けた味のある外観です。f:id:greenbirdchuro:20190602212752j:plain

 

レストランやカフェが並ぶフェルナンデス・ラドレダ通りの向こうの建物の上方に水道橋が見えてきました。チラッと見えただけでもわかる大きさに胸が高鳴ります。f:id:greenbirdchuro:20190602212806j:image

 

アソグエホ広場に出ると嫌でも視界に入るローマ水道橋。その堂々とした姿に圧倒されます。古代ローマ人が18km離れたフエンフリア山脈のフリオ川から水を引くためにこの水道橋を建設したのは2000年前のこと。驚くことに積み上げられた花崗岩はアーチ部分も含めて接合に釘やセメント等が一切使われていません。石の組み合わせだけでバランスを保っている精巧さ・美しさ、まさに神のみが成せる技。神でないなら悪魔が造ったに違いない!当時の人々が悪魔の介在を疑ったのも無理ありません。f:id:greenbirdchuro:20190604114649j:image

 

アソグエホ広場から水道橋に沿って走るフェルナン・ガルシア通りの階段を登ってみました。その先にはディア・サンツ広場があります。f:id:greenbirdchuro:20190602213145j:plain

 

アソグエホ広場がはるか下方に見えます。全長813m・高さ28.5mは文句なしにスペイン最大規模ですが、横幅が2.4mと意外に狭く、長身でスリムな外観は石橋にしておくにはもったいないスタイルですね。f:id:greenbirdchuro:20190602212755j:image

 

広場のロータリーの向こうには旧市街と新市街が入り組むように広がっていました。f:id:greenbirdchuro:20190602213231j:plain

 

全体が世界遺産の旧市街を散歩しながらマヨール広場に向かいました。(スペインで街の中心と言えばだいたいマヨール広場です。)レストランや土産物店が軒を連ねるマヨール広場は、時折降る雨のせいでやや閑散としていました。その角に建つ存在感のある建物がセゴビア大聖堂。スカートの裾を広げた貴婦人のよう見えることから大聖堂の貴婦人とも呼ばれる優雅で気品ある佇まいです。f:id:greenbirdchuro:20190602212813j:image

 

戦乱で大部分が破壊されたかつての大聖堂に代わりにカルロス1世が造らせたものでがこのセゴビア大聖堂で、その建築には16世紀からおよそ250年もかかりました。着工当初には主流だったゴシック様式も大聖堂が完成した18世紀には流行らなくなっていて、おかげでこの大聖堂がスペイン最後のゴシック建築なんだそうです。そのせいもあるのか高さ90mの鐘楼のファサードの装飾もゴシック様式にしては控えめな印象です。f:id:greenbirdchuro:20190602213421j:plain

 

全長100mを超え、高い天井を持つ広い大聖堂には主祭壇を取り囲むように配置された20以上の礼拝堂がありました。個々の礼拝堂の美しさがとても際立っていて、主祭壇が霞んでしまうくらいです。

 

1684年建造の豪華な礼拝堂はパトロンだった貴族の名前からアヤラ礼拝堂と呼ばれています。バロック様式の中でもスペインで独自に発展したチュリゲオルグの祭壇の装飾彫刻は精巧とか精密を通り過ぎています。あまりに煌びやかで目がチカチカします。f:id:greenbirdchuro:20190602212749j:image

 

サン・アンデレスの礼拝堂にはアンブロジウス・ベンソンの「十字架降下」がありました。中央には十字架から降ろされるキリスト、左右には大天使ミカエルとパドヴァのサン・アントニオが描かれています。サン・ミゲル教会にあったものを大聖堂に移したんだそうです。f:id:greenbirdchuro:20190602212758j:image

 

礼拝堂だけではありません。色鮮やかで見応えあるステンドグラスが全部で65もあり、まるで美術館のようでした。f:id:greenbirdchuro:20190602212818j:image

 

北側側廊には1531年に建造された受胎の礼拝堂がありました。中央のマリア像がとても穏やかな表情です。祭壇上のフレスコにはマリアの生涯が描かれていました。礼拝堂の壁に飾られた絵画は、フランドル出身のグナシオ・リエスによるものです。f:id:greenbirdchuro:20190602212810j:image

 

戦乱を免れた聖歌隊席やステンドグラスなどが旧大聖堂から移築された一方、建物に残る面影は回廊の壁を成す石だけ。この回廊の石は全てアルカサルの傍にあった旧大聖堂から運ばれたものなんだそうです。f:id:greenbirdchuro:20190602212839j:plain

 

時間には限りがあるので大聖堂観光を切り上げて旧市街散策を再開しました。
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ラ・メルセー広場に面したサン・アンドレス教会のシンプルな尖塔と円柱形の外観が美しいです。旧市街にはロマネスク様式の教会がいくつも点在していました。f:id:greenbirdchuro:20190602213736j:plain

 

旧市街の西端にはラ・レイナ・ビクトリア・エウヘニア広場があり、スペイン独立戦争の英雄の記念碑が建っています。f:id:greenbirdchuro:20190602213935j:plain

広場を抜けた先がアルカサルです。入り口の横の建物でチケットを購入したら跳ね橋を渡って入場です。ディズニーのお姫様でも住んでそうな外観だなと思ったら、映画「白雪姫」のお城のモデルなんだそうです。f:id:greenbirdchuro:20190604185110j:image


アルカサルは宮殿という意味ですが、元々はイスラム教徒が築いた要塞を改築したものです。2つの川の間にある高さ100メートルの岩山の断崖の上に建てられ、西南北の三方を断崖で囲まれた天然の要塞には跳ね橋以外に出入り口が見当たりません。秘密の地下通路があるそうですが、この要塞がいかに入念に設計されたかがわかります。f:id:greenbirdchuro:20190604185019j:image

 

内部の装飾は、アンダルシア地方で見たアルカサルや宮殿同様に、豪華絢爛でイスラム文化が色濃く残り、エキゾチックな香りがプンプンします。
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天井装飾がガレー船の船底に似ていることから名付けられたガレー船の間を見た感想は見事の一言です。首が痛くなるまでイ豪華な天井を見上げ、気がついたら口がポカンと開いたままでした。縦に長い部屋の両脇には甲冑が数体飾られていて、壁のフレスコ画には現在のスペインを築いたイザベラ1世がここからマヨール広場で行われた戴冠式へと向かう様子が描かれています。f:id:greenbirdchuro:20190602212824j:image

 

諸侯の間の壁には歴代の王の彫像がずらりと並んでいますが、どうしても目は天井の装飾に向いてしまいます。f:id:greenbirdchuro:20190604175555j:plain

 

礼拝堂の祭壇には、新約聖書の17場面が描かれています。イスラムの内装に礼拝堂というミスマッチが複雑に入り組んだスペインの歴史を見るようで興味深いですね。f:id:greenbirdchuro:20190602212836j:image

 

武器の間には剣や槍、大砲といった様々武器が展示されていました。
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アルカサルから大聖堂を取り囲む旧市街を眺めていると中世へタイムスリップしたような気分になります。f:id:greenbirdchuro:20190602212802j:plain

断崖の下に広がる景色を見ると、ここが要塞としていかに完璧だったか理解できます。f:id:greenbirdchuro:20190602213952j:plain

 

マヨール広場に戻る途中に高い塔を伴ったサン・エステバン教会がありました。中には入れませんでしたが、スペインにあるロマネスク様式の教会の中で最も高い53mの鐘楼は壁の美しさも相まってまさに塔の女王の呼び名にふさわしい佇まいです。f:id:greenbirdchuro:20190602214135j:plain

 

駆け足での観光にはなりましたが、10年も心に引っかかっていた宿題を終えてすっきりしたことは言うまでもありません。

 

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スペイン製 ガイドブック セゴビアのすべて TODO SEGOVIA スペイン語版 写真集 seu-seg-sp

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